06 自覚

(1)誰かのロボット(将棋の駒)ではない、「将棋の差し手」として生きたいと思う。
(2)人生判断の基準・人生の原風景を持ち始めるupdate
 (2’)早期英語教育 カナダ移住の子供達ー9歳以降が有効との研究結果 new
(3)無意識レベルでの自己イメージの原点ができあがるupdate
(4)世間を信じ、世間と共に生き、世間から信頼される人になる。

(1)誰かのロボット(将棋の駒)ではない、「将棋の差し手」として生きたいと思う。

メダカのような従順さに快感を覚える段階から、自己の独自性を求め主張するようになる。
他の人と同じ自分に耐えられなくなる。:自己の独自性を求め始める。双子の兄弟が、おそろいを嫌がり始める。
権威(親・先生)より道理(論理性)を大切に思うようになる。:自己の独自の判断基準を求め始める。
親が言うとアウト。4年生以降の子には外部の第三者が必要。良い師匠には素直だ。(高濱正伸「子供に教えてあげたいノートの取り方」P161実務教育出版):親の支配から脱したい。
親に対して秘密を持てる。「これは秘密だよ。お母さんにも誰にも言ってはいけないよ。」と姉に言われた妹が「お母さんこれは秘密だよ。『お母さんにも誰にも言ってはいけないんだよ』っておねえちゃんが言ってたよ。」と言ってしまうのが1・2年生。:4年以上は親の支配から脱したいと願い始める。秘密を持つことは、親から独立する人生の第1歩となる。

(2)人生判断の基準・人生の原風景を持ち始める update

〇生から死へ移るとき、原風景があると良い
人はその死を予感したとき、無垢且つ幸せいっぱいであった、自分の少年時代を思いだし、そのときの原風景を再確認したくなる。

そのことは、京都大学「こころの未来研究センター」広井良典教授が「人口減少社会のデザイン」(東洋経済刊2019年)159ページにご指摘の通り、アメリカインディアン・日本人に共通する心象風景だ。人には、「自分が生まれ育った場所を、死ぬ前にもう一度見とどけたい」という「人の心に根ざした普遍的な願い」があり「魂が帰って行くべき場所」は、「生と死がふれあう場所であり、生と死は連続している。」(p.263)と広井教授は言われる。
生から死へとぴょんと跳ぶときに支えの棒になるのが、人生の原風景。我が人生を貫き最終ステージを支える原風景。里山の風景こそは、日本伝統の原風景であったし、今の子供達にとっても、70~90年後に味わうであろう風景は変わらないであろう。この30年、1500名を超える死者を送ってきた田舎の寺院住職の実感。呆け状態は、その生と死の中間状態だと言ったのは、石川啄木だ。

〇9歳で日本人の感受性・人生判断の基準の根っこが完成することが外国語教育開始の前提条件だ
9歳で日本人に特有の「虫の音に耳を澄ませ、虫の音を騒音と思わない」左脳(日本語を母語とする人達は、本来言語脳である左脳で虫の鳴き声等の音を聞き分ける。)が完成する。(日本人は、左右の脳をつなぐ梁腺が、他民族に比して太いらしい。):これは日本人の感受性の根っこにある才能であり、人生判断の基準の根っこにある感性だ。これは外国語教育開始の前提条件となる。

文科省が英語教育を5年生から本格化させているのは、適切な決定だ。日本人としての文化的精神的な独自性・自己同一性の基礎があなたの子供の心にできるまで、本気で外国文化(虫の鳴き声をバグ=雑音としか聞けない感性)を注入してはいけない。
8歳にして英語をすらすらと話し、英文を読み解く日本人の子供を羨ましがってはいけない。彼が一生に渡って、日本人になりきれない自分をもてあまし続ける苦しみを、哀れみ同情するのみだ。
小・中・高とアメリカに送って帰ってきた息子が、アメリカ語は堪能だが、全く日本語を受け付けない人になってしまっていた。彼はもう日本人ではない。通訳を介する「親子の会話」。その親の当惑は絶望的だ。何のための外国語学習だったのか。親たちはその子供をアメリカ人にしたかったのか。否!日本語とアメリカ語学習の開始時期を間違えた。何でも早ければよいと、勘違いしたのだ。その子は永久に、日本人としての原風景に触れることなくその人生を終える。「なんということだ。」と両親は思われるだろう。私も思う、心からの同情を以て。

2020.2.12更新

(2’)早期英語教育 カナダ移住の子供達ー9歳以降が有効との研究結果
 (「NHK子育て番組」9歳以前からの早期英語教育に警告) new

2019年6月22日、ついに、NHKは幼児の早期英語教育に警告を発した。

①バイリンガルの子とモノリンガルの子の語彙数の総計が同じであること。
従って、日本語と英語を同時に学習した子の語彙数が、日本語だけに特化した子のそれに比して、それそれ半分ずつになっているという調査結果。

②カナダに移住した子の年齢が9歳以前か、以降か、での驚くべき違い。
9歳以降に移住した子らは、元の母語がしっかりしているので、新しいカナダ英語にしっかりと対応できる。が、9歳以前に移住した子らは、母語も不十分であり、新しいカナダ英語も曖昧になる、というレポート。
参加者達の中で、9歳以降から英語を始めて、うまくいった母は悠然と構えており、幼児に英語をしつけようとして、「お母さん怖い!」と拒否されていた母は、愕然とされていた。お気の毒。

③ネイティブ性についても、全く問題なしと断じていた。

早期英語教育熱に感染しないように要注意。
2019.6.30記

(3)無意識レベルでの自己イメージの原点ができあがる update

無意識レベルでの自己イメージ(積極的:消極的・朗らか:沈鬱・楽観的:悲観的等の基本姿勢と共に何を好ましく思い思わないかの判断基準・感受性)の源像=原点ができあがる。
子供が無意識のうちに選ぶ母・父・祖父母などのイメージが意識の底深くに引き継がれていく。その自己イメージは思春期・青年期の新たな体験によって試され、揺さぶられた結果、大変化・大逆転を遂げることがあるが、9才以前の通奏低音は消えない。選択するのにも変化し時に逆転するのにも、一貫して彼の判断を支える軸足が必要だからだ。

〇5・6歳の幼児の無意識の心の健康診断は絵画によって可能 new
「子供達の無意識つまり心の深層が絵に表される。」と言われるのは森本邦子氏。「絵を描く筋肉の動きが、その子の感情や気分を」反映している。「力強いイキイキした線、弱々しい薄い線、大きすぎる絵、小さすぎる絵」など。子どもの無意識の奥にあるものが、絵に表される。「子どもの心は、言葉で表現できるレベルを遙かに超えており、象徴的に絵画として表現される。」「子供達は見える物を描いているつもりで、自己の心の内を表現している。」
(森本邦子「脱引きこもり」p24角川SSC新書2009年5月刊第1刷)
2020.1.20記

(4)世間を信じ、世間と共に生き、世間から信頼される人になる。

「自分は生まれてきて善かったのだ。」と確信できる。(参照・大阪府県警本部刊「少年補導」1983年)

自己肯定感=自己信頼の完成。家族・縁者・先祖を受け容れる。家族・先祖への感謝・献身等の責任感の原点が完成。だから、この日が来るまで、母・祖母達は、折に触れて、「おまえが生まれてくれて嬉しいよ。」とささやき続けるのだ。この様な「くさい」「余りに素朴な」「時代がかった」「19世紀文学のような」言語表現を、真っ正面から素直に心の底まですうっと受け容れられるのが、9歳までの子供達の心なのだ。

このあと20年間の試行錯誤の日々のあと30歳台になって、人は「自分は世間・家族に貢献できる人間かも知れない」と思えるようになる。
その原点が9歳。祖父母からの期待・感謝を聞かされていた9歳。

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