02 身体の成長

(1)味覚(食習慣)が完成する
(2)匂いの記憶は6才から10才までがピーク
(3)排泄習慣(自律神経系のバランス)の完成
(4)免疫寛容の成立
(5)暴力性・攻撃性・支配欲を強める性ホルモン=テストステロンの分泌量が増え始める

(1)味覚(食習慣)が完成する

9歳までにケチャップ・マヨネーズ・バター・チーズにはまった味覚は、二度と味噌・醤油に戻らない、といったのは1971年7月日本で最初のマクドナルドを銀座三越に出店した藤田田氏。ハンバーガー大好きな子供は、9才までに造り上げられると断定しておられた。「味覚のリハビリは、9才過ぎたら難しい」と千葉幕張メッセの研修会で、1人の栄養士が言っていた。9歳までの食習慣が一生の食習慣を決める、とも言う(「おむすび通信」86号)。

だから9歳までは、マクドナルドは立ち入り禁止。そして10才。始めて入ったマクドナルドで体験する味は、「まずい!」「おいしくない!」「食べられる物がない!」となる。
その子の味覚は、完璧に、本来の日本人のそれになった証拠。その子は、「煮る・蒸す・焼く」の和食(その秘密は「旨味うまみ」。イタリアン・フランス・ドイツ・中華料理のすべてに欠けている日本伝統の味の秘密)が大好き。それこそは「原日本人」の平和で伝統的な姿。

インスタントラーメンも滅多に食べさせないように注意すること。インスタントラーメンは非常食。非常用に味も強くされている。あの味をあなたの子供達の味の標準にしてはならない。大人用に開発されたオロナミンC同様、子供が普段口にすべき物ではない。
「非常時の幸せ」を大事に取っておこう。

(2)匂いの記憶は6才から10才までがピーク

匂い関連の記憶の多くは6~10才の昔に由来している。

嗅覚は、過去の体験・感情を納めて封印してある箱を開ける鍵だ。匂いは、視覚や聴覚よりも子供の頃の体験を強く呼び起こす。人は子供時代から、匂いにきちんと曝(さら)され「嗅覚トレーニング」を受けるべきだ。(M.コニコバ日経サイエンス2013.9月号)

嗅覚トレーニングとは、清潔でお菓子屋さんのような甘い世界・よだれが出そうになるウナギ屋の煙とともに、早春の青草・田舎の香水や鼻が曲がるような悪臭も体験すること。一瞬でよい。「いい匂いだねえ」「臭いねえ」と親子で語り合った記憶を持つこと。
臭いに幅があるとすれば、その幅が広いほどよい、と考えてよいだろうか。少なくとも無臭状態で子育てをしないこと。芳香のみで子供を包まないこと。

驚くべし、花屋の店内。バラや菊など、花々の匂いをなくす努力がされていると木更津市内駅前の花屋さんに聞いた。お客様が匂いを嫌うのだとか。
アントニウスを迎える寝室に、厚さ30センチにバラの花びらを敷かせたエジプトの女王クレオパトラが、現代日本の無臭志向を知ったらなんと言うのだろうか。それは「自信(自己信頼)がないのね。」だろうと、私は推測する。

(3)排泄習慣(自律神経系のバランス)の完成

「10歳までに『朝のトイレ』を習慣にする」という家があるらしい。
平成23年(2011年)5月23日電話で宮崎栄樹は、日体大の正木健雄先生から「自律神経系は18歳で大体完成していた。それが今非常に危うい。」と伺った。

平成16年(2004年)「人体常在菌のはなし」青木皐著 集英社新書P78に「10歳までの教育の内、最も大事なことの1つが排泄」とあり、感性研究で有名な黒川伊保子先生の「子どもの脳の成長と排泄の関わり」なるインターネットの文章中に「(学校の先生には悪いけれど、)遅刻よりも朝ごはんとトイレが大事」という黒川家家訓が記されていた。

自律神経系の2つの柱の1つ「副交感神経は、栄養素を吸収する大腸内にいる100兆個の大腸菌等腸内細菌の活躍に支えられている」というのは、順天堂大学小林弘幸先生。
文部省が勧める「早寝・早起き・朝ごはん」は、「トイレ」を外しているが正確には「早寝・早起き・朝飯・朝便」のことであった。情緒の安定・集中力・根気・理解力は自律神経系のバランスあってのことなのだから。

(4)免疫寛容の成立

免疫寛容とは、免疫力が高まれば、虫刺されの害を受けても身体は、寛容をもって反応できるということ。
「虫刺されやかぶれ」は強めのステロイドで、早めに直すべし。

市販の虫よけ剤のDEETは毎日の使用が厚労省によって禁じられていると今井博之先生は言われる。
「小学校4年生(9才)以上になると、蚊に刺されても、直後はプクッとはれて、かゆいものの、翌日にはましになり、大人と同様の反応に落ち着いていきます。」
「蚊に対するアレルギー反応は、子供の時期にたくさん経験しておかないと、後でツケを払うことになります。」
「何万回も刺され続けていくうちに免疫寛容が成立し、加齢とともに反応が鈍くなってゆくのです。」
漆職人と同じ。

(今井博之先生。『小さい仲間』2013.9月号48頁)

(5)暴力性・攻撃性・支配欲を強める性ホルモン=テストステロンの分泌量が増え始める

性ホルモン=テストステロンの分泌量が、9歳から急激に増えて、15歳でピークに達する。テストステロンは男子の睾丸、女子の卵巣で生産される。男子のほうがその分量は多く、声変わりやひげ等第2次性徴の原因となる。暴力性・攻撃性・支配欲を強める機能を持つ。

小学校高学年から中学2年の時期の男子達が、自分でも理由がわからず、「むかつき」親達や教員達に、反発反抗したくなる自分を持て余す現象は、関係者が冷静に受け止めるべき、子供達の正常な成長過程だ。女子でもテストステロンの値が高い人は攻撃的になる。
自己の暴力性や攻撃性をを抑える「ブレーキ機能」は前頭前野が受け持つが、その成熟には30歳前後を待つことになっている。30歳までの青年期とは、その「ブレーキ」の効きはまだ悪い時期だと承知しておくべきだ。

この間、安心ホルモンである、セレトニンの分泌を促すために、日光に当たり運動をすることは、とても大切なことだ。
思春期問題を解決するために、集団の屋外活動はとても大切なのだと承知しよう。

(中野信子先生『人はいじめをやめられない』小学館新書82頁)

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