社会館保育の参考文献(を読むと社会館現象の目的・動機が解ります。)
●「学力と思考」佐伯 胖(ゆたか)著第1法規1983年2月初版第2刷
報酬の逆効果・自己原因性感覚等
●「思春期挫折症候群」稲村 博(ひろし)著新曜社1983年2月初版第1刷
几帳面、要求水準が高い、つまり過敏性格でしかも耐性欠如の人が挫折した時に発する症状。親が子供を自立させない、子供同士などの対人経験の不足、汗水流して働くことの不足、適度な欠乏つまり欲求不満状況を子供達が体験していない。
●「成熟拒否」山田和夫著新曜社1983年3月初版第2刷
大人になれないこと、未熟であることの中身、世間に対する信頼感、自己中心・内面誠実から抜け出ること、表面にとらわれないこと、人生1回しかないという覚悟等
●「考えることの教育」佐伯 胖著岩波書店1983年7月初版第2刷
「事実を見過ぎると真実は見失われる」という「バケツ理論」33頁
●「『分かる』ということの意味」佐伯 胖著岩波書店1983年9月初版第1刷
「学問というものが、『本当だとされていること』を学ぶことではなく、正に、自分自身で、本気で、『何が本当なのか』と問うこと、問い続けることにあることに気付いたのでした。」217頁
●「教育は人間をつくれるか」小原秀雄著農文協2002年3月初版第7刷
「現代的非行の基本形態として、『無気力』と『自己中心主義』とをあげることができる。」35頁「欲求の強い発達には、強い抑制の発達が伴われている。」「だが、今の教育では、攻撃性の発達などあまり考えていず、<中略>上から抑えつけることばかり考えているかのようである。また、抑制行動の発達が、自由を阻害すると考える親もいるらしい。」52頁
●「ファシリテーション革命:参加型の場作りの技法」中野民夫著岩波書店2003年4月初版第4刷
職員養成(内発的な動機付け)の画期的な考え方が示された。「人が変わる」体験。
●「無痛文明論」森岡正博著トランスビュー2004年1月初版第4刷
「現代文明とは、集中治療室で、すやすやと眠っているこのような人間を、社会規模で作り出そうとする営みなのではないだろうか。元気そうに働き、楽しそうに遊んでいるように見えても、実はその生命の奥底で、ただすやすやと眠っているだけ」4頁
●「セレトニン欠乏症」有田秀穂著NHK出版2005年2月初版第6刷
「セレトニン神経がきたえられると、背筋が伸び、顔にしまりが出ます。」実験ネズミは「セレトニン神経が阻害されると、攻撃的で暴力的になり、」「セレトニン合成を回復させると」穏やかになります。124頁
●「音と文明」大橋 力(つとむ)著岩波書店2008年3月初版第4刷
CDプレーヤーの音が復元できない自然本来の音が持つ周波数域が、人の心身への影響力を持っていることを、音楽家であり物理学者でもある立場から明快に立証した文献。
森・里山保育が持つ有効性を明晰に証明している。
●「危険不可視社会」畑村洋太郎著講談社2010年4月初版第1刷
「危なくない遊具は面白くない」。子供達は危なさを楽しんでいるのです。
●「子供の『心の力』を育てる―レジリエンス―」レジリエンス研究会著2009年11月初版第1刷
自己原因性感覚・自尊感情に加えて「心の弾力性・復元力・しなやかさ」の大切さを指摘。そのために、年齢相応の困難・挫折・逆境体験を上手に乗り越えさせるべしと説く。完璧な安全・安心はダメということ。程々に「ずぼらな母・父」を演ずることがよいということか。
木更津社会館保育園 宮崎 栄樹