02 2才の子供達へ

「今泣いたカラスがもう笑う」2歳児

「2歳が勝負」と言い出したのは、山梨大学の加藤繁美先生。20年以上前のこと。

〇「今泣いたカラスがもう笑う」
この頃の子供達は、その前後の時期比べて「葛藤耐性が強い」。
「今泣いたカラスがもう笑っている」のが正にこの時期の子達。
実に些細なことをきっかけにして始めた喧嘩・葛藤状態もほんの数分後には、うそのように忘れて、和やかにオヤツを一緒に食べている。互いに髪の毛を引っ張り合うまでしていたあの喧嘩はどこに行ってしまうのか。
この葛藤・混乱状態を流れるように精算できる2歳児の精神的な力を加藤先生は、「葛藤耐性が強い」と喝破された。

〇自らを被害者だと思わない楽観性
「葛藤耐性が強い」ことによって、子供達が無意識レベルまで含めて身につけるもう1つの重要な機能が、事件・混乱が起きても、そこに自分に対する、世界からの悪意・世間からの敵意・仲間からの攻撃意志を読まないという点にある。
相手の攻撃・加害を察知しない2歳児の精神構造は、同時に自らを被害者だと思わないという素晴らしい楽観性を持つ。

私は平和教育を9歳まですべきでないと考える。
世界が悪意に満ちており邪悪と不正が世界の標準の生き方であると教えること、原爆がどのように作られ、誰がその投下目標を日本国内に定め、投下時期を決めたうえで、どのような惨劇が演じられたか、を子供たちに伝える時は、早くて子供達10歳以降。
つまり、ディベートの手法・考え方をきちんと理解でき実施できる年齢になってからが良い、と私は思う。論敵の考えを徹底的に(できれば敵以上に)理解して議論をしようとするディベート、真理は必ずしも1つとは限らないことを明確に前提する思考方法であるディベート。
この力が、彼らの穏やかな心を守り、被害者意識に陥ることを回避させてくれる。

〇「ダメはダメ」を教える最初のチャンス
もう1つの機能は、「ダメはダメ」という事が世の中にあるという事を、人類が母を通して子供たちに教える最初のチャンスであるという事。
生まれて以来我が意のままに「はいはい」と受け入れてくれ、乳を飲ませ、おむつを代え、眠らせてくれていた母が、何という事か、壁になり、道をふさぎ、「それはダメ!」と迫る。その母の気迫をあっさりと受け入れて、子供達は生まれて以来、自分の衝動と欲望のままにやってきた人生に別れを告げることができる。
2歳児の葛藤耐性に支えられ、悪意なき母を信じ、敵意の無い世間に包まれて子供は、母の判断基準を我が基準として受け入れて自我の二重構造を完成させる。

〇仲間との集団生活を受け入れていく怒涛の3歳児時代へ
この精神的な免疫力をもとに、子供達は、怒涛の3歳児時代に進む。
1人あそびから仲間との集団生活への参加。ごっこ遊び、集団遊び、我慢・妥協と交渉の繰り返しの中で構想力を発揮し、想像力を膨らませながら、1人ではできない複雑な共同生活を受け入れていくのだ。
 

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