[NEW]社会館吾妻保育園民営化3年目(2023年度)

1.社会館吾妻保育園民営化3年目(2023.5.2作成)
A. 保育関係
渡辺久美子新園長より所信表明
参考:他年度の取り組み
フォトギャラリーadd

1.社会館吾妻保育園民営化3年目

2023年4月1日、富津市公立保育園7園の筆頭園長であった、渡辺久美子氏が60歳定年退職に伴い、社会館吾妻保育園の園長に就任してくださいました。
民営化後2年間の経過(子供達の変化等)を、運動会などを通して確かめられた結果のご決断であった。
渡辺久美子氏は、「抱っこ法」の上級指導員としてご本も出版されており、千葉県保育協議会研修部会の委員長であり、県全体の保育士の研修にも責任を負うなど、その力は広く認められている方であります。
民営化3年目にあたり、そのような方をお迎えできたことは、吾妻保育園関係者たちにとってはまさに幸運の一言であり、2年間にわたった豊田前園長(現副園長)の精進努力の成果が、さらに花開く機縁になるものとワクワク致します。

この2年間、理事長宮﨑栄樹は、職員専用駐車場の整備をはじめとして職員の勤務環境の改善を先行させ、併せて子供達の保育環境の改善(たくさんの植木・井戸水・吾妻山の設置など)に傾注、2階ホール・乳児室・玄関ホール・保育室のデッキの増設など一層の施設改善にも努め、3200万円を投入いたしました。うち1500万円は木更津市から、500万円は愛染院から頂き、残る1200万円を、社会館と吾妻保育園の収入から清算し3年目を迎えました。
豊田前園長と共に、1つ1つ改善した結果、ここに渡辺久美子新園長を迎えられたことを天に感謝いたします。
新園長の指揮のもと、職員は勿論、子供達が、うきうきドキドキワクワクと暮らす社会館吾妻保育園が、一層光り輝いてくれることを心から願っております。
2023年4月30日

A. 保育関係

 

    • 渡辺久美子新園長より所信表明

      令和5(2023)年5月5日
      木更津 社会館吾妻保育園
      園長 渡辺 久美子

      ご 挨 拶

      この度、社会館吾妻保育園の園長に就任致しました渡辺久美子と申します。
      私は富津市の公立保育所で36年間勤務してきました。その中で、人と人との「つながり」が生きる上でどんなに重要かを実感してきました。つながりを取り戻すことで、一人ひとりの持っている力が輝きだすことをたくさん見てきたからです。
      社会館の保育は、どんな社会の中でも、子ども達が将来、人間本来の持つ力を発揮して生きていくための土台を築いているのだと私は感じています。土にまみれ、生き物と触れ、森の自然の中で、人間としての本能を研ぎ澄まし、生き抜く知恵を身につけている。そこには仲間がいて、自分と仲間との関係を肌で学んでいる。生きる力がみなぎっているのです。子ども本来の姿がここにはあります。
      子どもを心から愛し、将来を幸せに生きてほしいと願う宮﨑理事長が、子ども達にとって何を大切にするべきかを追求し続け、45年をかけて社会館の保育を築き上げてきたのです。私はそんな深い愛に心を動かされます。

      心を抱きしめる「抱っこ法」

      私は「抱っこ法」を学び続け、実践を重ねてきました。抱っこ法の「抱っこ」とは、気持ちごと抱きしめる「心の抱っこ」のことです。「抱っこ法」は人とのつながりや自分自身とのつながりを取り戻しながら、本来の力が発揮されやすくなるよう支援していきます。
      「抱っこ法」とは言っても特別の技法ではなく、戦後見失われてきた古くからの子育ての知恵を整理したものなのです。
      私はこの抱っこ法に出会ってから、大きく人生が変わったように思います。見える景色が変わったのです。
      どんなに困った行動をとっている子どもがいたとしても、気持ち・心に注目すると行動からは思いもよらない、けなげな切実な思いや願いがあることに何度も出会うことができました。
      子どもたちのどんな気持ちも大切にし、その子が本来の姿を取り戻すのを手伝いたいと思っています。
      就任早々の吾妻の子どもの輝くエピソードがありましたので、ここでご紹介させていただきながら、私が大切にしたい保育についてお伝えできたらと思います。

      A 君の輝き…つながりからうまれる自信

      4月のある日、A君が、毎日の散歩で、長距離を歩くことが辛くて「保育園に行きたくない」と泣き出すようになりました。ご両親はそんなA君の姿や「散歩いやだ」という言葉に大変心配をされました。「社会館吾妻保育園はA君には合わないのでは」と思うようになったのは無理もありません。我が子を大切にされているからこその気持ちです。
      私はA君に「たくさん歩いて大変だったね」「疲れちゃうよね」と共感する言葉をかけながら、もう一方に“行動には表現されていない気持ち”があることも感じていました。それを確信したのは、リズムをやった日の事です。泣きながらも、みんなと一所懸命動いているA君の姿に感動したので、「A君、リズムかっこよかったよ」「がんばってたね」と声をかけると「うん。泣いちゃったけどね。がんばったでしょ」と得意げに話すのです。「泣きながら、頑張れるなんて素敵だね」と言うと嬉しそうにうなずいていました。その時にA君の向上心がはっきり見えました。
      数日後、いつものように「散歩いかない」と泣いて登園してきたA君の脇に寄り添いながら、「さんぽ、嫌だね。でも、みんなみたいにちゃんとち歩きたいね」と声をかけると深くうなずいていました。どんなにつらくても必要とあらば頑張りたい、それが、人間が本来持っている成長欲求や向上心なのです。私は、A君はきっと乗り越えられると思いました。
      それから数日後、5月に入るとA君と同じクラスに新入園児のBちゃんが入園してきました。
      Bちゃんは初めて行うリズムに戸惑い、じっと座ったままみんなの姿を見つめていました。その横にA君が座り、Bちゃんの手を握りしめながら、「まだ、リズムできない?」と顔を覗き込むように小さな声で伝えました。Bちゃんがうなずくと「大丈夫だよ。やりたいと思ったら、一緒にやろうね」と声をかけていたのです。あんなに初めてやるリズムに戸惑い泣きながらやっていたA君なのに、Bちゃんを支えようとしているのです。
      私は胸が熱くなり、「A君はBちゃんの気持ちがわかるんだね。」と伝えるとA君は大きくうなずきながら「Bちゃんの気持ちがよくわかるんだ」と答えました。
      A君は、Bちゃんに見ててねと言うように、堂々と笑顔でのびのびとリズムを表現し始めたのです。まるで、“Bちゃん、今は不安でも大丈夫だよ。必ずできるようになるからね。私も同じ気持ちだった。でも今はほら!どう!素敵でしょ”と言うかのように・・・自らが表現し導いているようでした。同じ気持ちを共有できるBちゃんとのつながりが、A君に大きな勇気をもたらしたのだと思います。
      A君の行動に、やさしさだけでなく、自分自身への誇り、力強さを感じることができ、それを見ていた私自身もまた、自分を奮い立たされるような思いになりました。

      子どもたちの願い

      私の学んでいる「抱っこ法」は子どもたちに力があることを信じてやまないのです。
      どの子も切実に成長したい気持ちを持っているのです。気持ちを認めてもらうことと同じくらい、行動や表現のしかたを身につけながら成長できることが、子どもにとっての喜びなのです。私はそんな子どもの気持ちに応えられる大人でありたいと思っています。

      宮﨑理事長も、そのような子どもの成長欲求を大事にとらえ、子どもたちの成長のためには抵抗的課題(ちょっと頑張るとできる課題。)が重要であると考え、この2年間、ひたすら園舎・園庭のあちらこちらに今まで市立吾妻保育園では見たこともないような仕掛け・保育環境を工夫整備されています。
      以前、社会館保育園に見学に行かせていただいたときのことです。0~1歳児クラスの子どもが木馬の遊具から降りられなくて困っていました。保育士の役割は子どもが困ったら、安全に降ろしてあげることだと考えがちですが、しばらく見守ると、その子は困りながらも必死で身体をずらし、降りることができたのです。すると、あんなに困ったにもかかわらず、また、登ってはまたがり、自分の力で降りることを何度も繰り返し行っていました。自分でできたことがとてもうれしかったのでしょう。その子はその場でくるくると回りだし、誇らしげにしていました。その姿はまるで、自分で自分を褒めているという感じでした。
      後で、社会館保育園の先生にお聞きしたところ、赤ちゃんの時から段差や坂道を登ってみたい気持ちを大事にしていて、“簡単にはできないけれど、少し頑張ればできる課題”に挑戦しながら、できたときには、みんなで心から喜び合う体験をしているということでした。木馬にチャレンジしていた子は、たくさん認めてもらった体験をもとに、自分で自分を褒め、「自分は自分でいいんだ。自分は生きている」と実感することをたくさん味わっているのだと感動しました。社会館保育園が抵抗的課題を大事にするのを実感したのでした。

      子どもはみんな親おもい

      私は子どもたちの心をずっと見てきました。子どもたちの心の中には、いつでも、どんな時でも持ち続けている気持ちがあります。それは「親おもい」であるということです。
      親から見れば、たくさん困らせたり、心配をかけさせられたりしているのにそうは思えないということもあるでしょう。
      困った行動をとる子の多くは、誰かに助けを求めようとはしないで、自分で何とかしようとじたばたするあまりに、かえって人に迷惑をかけてしまっているということがよくあります。誰かに助けを求めようとしないのは、大好きな人に迷惑をかけたくないから、その思いが人とのつながりを断ち、本来の姿を見失ってしまうのです。行動とは真逆な“けなげな気持ち”に気づいてあげ、抱きしめると子どもは泣きながら、つながりを取り戻していき、素直に甘え、本来の子どもらしい姿に戻るのです。つながりを取り戻すことは、持っている力が輝きだすことです。人と繋がって生きるのが、本来の人間の姿だからです。
      私が一番お伝えしたいのは、「親おもい」である子どもたちの幸せのために、かけがえのないご両親が幸せであるのが一番ということです。また、ご両親の幸せは、かけがえのない我が子の成長・幸せを心から願うということだと思っています。
      社会館吾妻保育園の保育の方針である「自分は生まれてきてよかったのだ」と1人1人の子どもに9歳までに確信させること…宮﨑理事長の子どもたちへの愛から生まれた社会館の保育に、私が学んできた「抱っこ法」を生かしながら、吾妻にかかわる皆様が幸せに過ごせますように精一杯務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

参考:他年度の取り組み

●社会館吾妻保育園民営化にあたっての経緯・理事長宮﨑からのご挨拶
こちらからご覧ください

●初年度の取り組み(2021年度)について
こちらからご覧ください

●2年目の取り組み(2022年度)について
こちらからご覧ください

フォトギャラリー 吾妻保育園3年目

※写真をクリックすると拡大します。
1.全景(2023年5月撮影)

2.大型積み木を使用した遊び

3.戸外遊び
「汚れたい」子どもたちの本音(清潔志向・汚れ志向)
3・4歳前後の子供たち。目の前に現れた水たまりを当たり前のように迂回する子たちと、真っすぐ水たまりに飛び込んでいく子供たちと、どちらが好ましいか。近くにいた大人たちが、「あ!水たまりがあるよ!」と先回りをして注意するのと、「水たまりに気付いているけれど、あえて注意をせずに、子供の自己判断を優先させる」か。つまり、子供達の靴が濡れ衣服が汚れるかもしれないと予測しても、その子供の失敗を、失敗の後始末も含めて、子供達に体験させようと思えるかどうか、は親・大人として重大な課題です。
勿論、年齢相応の、という条件が付きますが、子供達は自ら状況判断をし決断をし、時に失敗をすべきです。常に先回りをして監視する親の許で、恥をかくことも失敗することもなく、進学コースを歩んで、20歳前後で犯罪に加担して逮捕された大学生の親が、言っていた言葉。「私達は、あの子に失敗をさせないように、いつも気を配ってきた。何時も先回りをして守ってきた。今はっきりと思う事は、小さい頃から、あの子に自分で状況判断させ、時に失敗をさせておくべきでした。」小さい頃から親たちに守られて何時でもなんとかなってしまってきた人生が「気づいたら闇バイトで逮捕されていた」元優等生を生み出していたのです。
水たまりにつかり、泥と戯れながら、子供達は、「汚れたら洗えばいいんだよ。」とあくまでも冷静に、復元力・免疫力を心深く無意識のレベルで養っていると思えれば、社会館吾妻保育園園庭の子供達の姿が秘める凄さ、素晴しさをご理解頂けますでしょうか。

4.あさり文庫

5.自転車旅行  add

民営化3年目2022年度、渡辺久美子新園長の許で、「森の保育」と「自転車旅行」が始まった。自転車旅行は2023年1月23日(火)と2月7日(水)の2回。

「自転車旅行」の目標は、旧楢葉町:現袖ヶ浦市民会館脇の巨大なお山。鹿野山の「白鳥神社」と並ぶ由緒ある「坂戸神社」。年長組が2班に分かれて、吾津社会館理事長補佐と渡辺園長をそれぞれ先頭で行ってきた。陸上自衛隊正門前の社会館吾妻保育園から、往復15キロの田んぼ路は、吾妻保育園の6才児には余裕しゃくしゃくだったらしい。担任田辺先生の3年間の訓育の成果がはっきりと表れた大実験でありました。「また行きたい。もっと行きたかった。」子ども達の声。

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