09 忍者屋敷と迷路と遊具

(1)社会館にはたくさんの忍者屋敷と迷路がある
(2)子供達の手油・汗や涎で輝きが増した木製の中型遊具(水戸の神賀勇次郎商会)

あちこちにある忍者屋敷・迷路が子供達を虜にする。

(1)社会館にはたくさんの忍者屋敷と迷路がある

①「ゆりかもめ」本館
地域子育て支援センターであると同時に、子供達のための巨大な遊具として構想された。1階と2階と屋根裏が一体となって使えるようになっておりながら、連絡通路はよく分からない。通路の入り口と出口が忍者屋敷のように隠されており且つどこにつながっているかも予測が出来ない。

②「森の家」
地下室と1階と屋根裏が一体的に構想されておりながら、出入り口は解りづらい。入った迷路の終点の予測は難しく、4・5歳児にとっては、充分に忍者屋敷の雰囲気だ。

③「ポプラクラブ」第1
雨の日を楽しく過ごさせるために私が考案した、
迷路構造を秘めている。普段は開かれずまるで見えない屋根裏への通路が、雨の日だけは開かれることの痛快さは、特に男子にとっては堪えられない仕掛けであろう。

④「佐平館」
忍者屋敷構造を仕組んで貰った。
「森の家」ほどには徹底性に欠けるが、かやぶき屋根の裏側が丸見えの屋根裏部屋は、ゾクゾクするような別世界を子供達に提供してくれる。

⑤「くじらクラブ」
大人の目が届きにくい屋根裏空間を作った。
そこは実は、鏡で下から透いて見えるからくりを持つのだが、見えるようで見えない、見えないようで見える視線体験は、小学生には非常に安心且つ刺激的だ。

⑥「ゆりかもめ」東清分館
間口4間・奥行き半間の大迷路が作られた。
これは谷口工務店の実施設計によるもので、私の構想は、元々大まかそのものであった。谷口彰嗣社長は、うちに秘めたる子供心を大いに発揮して下さり、私の予想を大いに上回るデザイン、ルート設計で子供達を虜にして見せてくれた。迷路にはいることは、子供自身がその頭の中に迷路を組み立てることでもある。このような立体的な構想体験は、子供達の頭を大いに立体的なものにするだろう。

(2)子供達の手油・汗や涎で輝きが増した木製の中型遊具(水戸の神賀勇次郎商会)

フランス・ドイツ製のレゴのようなプラスチック玩具を保育室から撤収し、集団で遊べる木製の神賀遊具を導入し始めた。未だ県庁職員であった45年程前、毎年のように年末になるとスイス・ドイツあたりを1人旅。木製の素敵な玩具を買い集めてはリュックに担いで帰っていた。それらの触感、色彩のすばらしさを認めつつも、社会館の子供達の遊び方が細々とささやかであることが次第に気になっていたとき、レゴ達とまるで違う色彩、質感、重さ、堅さの神賀勇次郎商会の遊具を木更津社会館保育園に再発見。何と神賀氏ご本人が4トントラックで売り込みに来ておられたと聞いた。後に神賀忠吾氏は、毎年銀座松屋でその作品の展示即売会を始められた。 

以来巨大なドームを初めとして様々な中型木製遊具を、本園乳児室・ホール・かえる組・ゆりかもめ寺町分館・東清分館等に配置してきた。

神賀遊具は、素材に桜の木を使うところが特徴で、子供達の手油・汗や涎が付くほどに木肌の輝きが増す。本園創立の1938年以来、使われてきたケヤキづくりの巨大滑り台とともに大切に使わせて頂いている。特に50坪の本園ホールに鎮座する直径3㍍のお椀のような神賀ドームは、見ているだけでも心落ち着く構造・色彩・木肌・デザインで脳の中をのぞいているような気分にもさせてくれる優れものだ。

社会館は、ゆりかもめ東清分館を含めて屋外の滑り台も木製にこだわっており、(プラスチックやステンレスの滑り台を排除。)子供達の感触を日本人のそれにすることを重視している。公の施設では、耐久性の点で木製滑り台は全く採用されないが、社会館は、子供の感覚養成を重視して、出費が増えることを当然と受け止めている。ちなみに屋内の神賀遊具は、耐久性の点でも申し分なしと受け止めている。
現在は神賀忠吾氏のお子さんが事業を引き継いでおられると伺った。ご健闘を祈ります。

乳児室の遊具

ホールにある巨大なドーム

園庭の滑り台

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